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青山演劇フェスティバル

今年のテーマ「1999・再生へ」について

今年の青山演劇フェスティバルは、「再生」をテーマにします。1999年の大世紀末を迎えた今の日本は、経済をはじめ様々な面での「再生」を待ち望むムードに包まれていますが、その時代状況を映し込んでのテーマであることは言うまでもありません。サブ・タイトルは「1999・再生へ」。

チラシやポスターのキャッチ・コピーには今回の参加者でもある生田萬氏の「過去はいつも新しく、未来は不思議に懐かしい」という言葉を使わせていただきました。
21世紀を目前にした今、気がついてみればそのイメージは近未来小説やSF漫画で既に馴れ親しんだものとしてどこか懐かしく感じられ、逆に過ぎ去ったはずの過去にこそ新しさを感じてしまうというこの逆説的な気分は、1999年という年のムードに似つかわしくもあり、また「再生」を探るときのキー・タームにもなるかもしれないと考えたからです。再生への手掛かりは、懐かしく感じられる未来と同時に、新しく感じられる過去の中にこそあるのかもしれません。


青山演劇フェスティバル さて、このテーマを踏まえての今年の演劇フェスティバルには、二つの仕掛けがあります。
一つは、しばらくの間、活動を休止(あるいは解散)している劇団/カンパニーに「再生」していただき、彼らの立ち上がる姿そのものを通じてテーマを浮かび上がらせたいというもの。そして二つ目は、もちろん、それぞれの作品の内容を通じて「再生」を探っていきたいというものです。

しばらくの間、活動を休止(あるいは解散)している劇団/カンパニーに「再生」していただくと言っても、ことはそう簡単ではありません。活動を休止する、ましてや解散するとなると、そこには、それぞれの決して軽くはない事情があってのことです。
そんな中にあって、こちらの呼びかけに勇気と誠意をもって応えていただいた劇団/カンパニーが、今回参加してくださる三つのところです。


■第一弾のブリキの自発団は、95年以来、活動を休止しており、現在、この名称は生田萬氏がユニットを組んで演劇活動をするさいのものとなっております。
今回は私ども青山円形劇場との共同プロデュースで北村想氏の代表作『寿歌』を原作にした作品に臨みます。終末後の世界を描いたこの作品は、99年という年にあまりにも似つかわしく、また、ルビー・モレノ、スティーブ・ソレイシィ、ユセフ・ロットフィというオール在日外国人キャストで演じるというもの大きな話題のひとつです。

■篠塚祥司プロデュースは、97年に急逝した金杉忠男さんを偲んでの追悼公演という意味合いを含んでいます。
「金杉忠男ASSOCIATES」にゆかりのスタッフ、キャストの面々で、氏の代表作の99年版を作り上げます。金杉さんは円形劇場で公演したことはありませんでしたが、亡くなる直前に偶然お目にかかったとき、「今度、ちょっと相談にのってほしい」とおっしゃっていました。そのまま、その「今度」は永遠に来るすべを失ってしまったのですが、今回の円形劇場での公演は、必ずや氏の意志に添うものであると感じております。

■劇団青い鳥は青山円形劇場にとって深い意向を持つ劇団です。
85年にオープンした青山円形劇場が始めて取り上げた小劇場演劇がこの劇団の『青い実をたべた』(86年)でした。紀伊国屋演劇賞受賞など各方面から高い評価を受けたこの作品の成功は、その後の円形劇場の小劇場路線にハズミをつけるものとなり、翌87年にスタートした「青山演劇フェスティバル」の原動力ともなっています。劇団青い鳥は93年から劇団活動を休止しており、今回のように「スペシャルプレゼンツ」と銘打つ公演も95年以来のものとなります。

以上、それぞれに「再生」を探る意欲的な三作品に、どうぞご期待ください。


「青山演劇フェスティバル」について

この青山円形劇場の数多い演目の中でも、目玉企画として観客はもちろんのことマスコミや評論家の方々から高い評価を得ているのが、「青山演劇フェスティバル」です。「青山演劇フェスティバル」は1987年にその第1回をスタートし、毎年秋のシーズンに恒例化して今年で第13回を迎えます。一時期、小劇場がブームと言われたころ、「◯◯演劇フェスティバル」「◯◯演劇祭」と銘打った公演があちこちに見受けられましたが、現在では次第に姿を消しつつあります。
そんな中にあって、当フェスティバルは草分け的な存在であり息の長い演劇祭として支持されています。その理由は、当フェスティバルが単にいくつかの劇団の公演を並べただけの連続公演ではなく、明確な方向性と時代性を持ち、絶えず新しい試みにチャレンジするフェスティバルとして認知されているからだといえます。
例えば、第3回からはフェスティバル全体に魅力的な「テーマ」を設け、そのテーマに沿った作品をラインアップしたり、第4回からは劇団単位の作品だけでなくプロデュース・システムによる作品作りにも挑戦しています。青山演劇フェスティバルは、常に“時代を映す演劇”“今を見つめる演劇”の祭典を目指しています。

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