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青山円形劇場×ブリキの自発団プロデュース
『20世紀ノスタルジア ホギウタ 〜北村想「寿歌」より〜 』

ホギウタ ■ストーリー(原作)

最終戦争で世界が滅びた後、それでもまだ空には残りモンの核ミサイルが飛び交い、あちらこちらで青や赤の美しい核爆発が起こっている。
そんな中、廃墟と化した街を二人組の旅芸人が通って行く。と、「物品取り寄せの術」という不思議な力を持つ青年がひょっこり現れ、一行に加わる。
彼らが芸を見せる相手は、もうどこにもいない。
だが、三人は、滅びた人々の蛍のようにはかない情念や、救いを求める恐ろしいほどの怨念を相手に、実にえーかげんな芸を披露しながら旅していく。
やがて若者は、自分の正体はヤソであることを告げ、二人のもとを去る。残った二人が旅を続けようとすると、地球の氷河期を告げるかのような雪が降り始める。彼らは新しい人類のアダムとイブになるのだろうか・・・。


■カンパニーコメント
1979年、北村想の『寿歌』の登場はひとつの事件でした。核ミサイルが飛び交う空の下、最終戦争後の廃墟の街並を旅するおかしな3人組。えーかげんな芸人風情の男と女、そして再生への不思議な力を秘めた一人の芸者・・・。
「『寿歌』に祝福されて、80年代ははじまた(演劇評論家・長谷部浩)」といわれるほど、この作品は小劇場演劇にとってはもちろんのこと、日本の現代演劇にとってもセンセーショナルなものでした。以来、この作品は繰り返し上演され、初演から20年を数える今日でも未だ色褪せず、類い希な美しい詩情と今日的なテーマ、そして“メタ演劇”としての軽やかな視点を合わせ持つ不朽の名作として、わたしたちの前にあります。

大世紀末を迎えた1999年、この『寿歌』を原作にして『ホギウタ』が生まれます。
構成・演出は、やはり80年代演劇の旗手として活躍し、読売演劇大賞・優秀演出家賞受賞(96年)など活躍の目覚ましい「ブリキの自発団」の生田萬。生田氏の有名な言葉に「過去はいつも新しく、未来は不思議に懐かしい」というのがありますが、『寿歌』の世界こそ、この言葉にぴったりのものと言えるでしょう。生田氏は、『寿歌』を人間同士のコミュニケーションとディス・コミュニケーションを探る劇として上演したいと語っています。民族・言語・文化を異にする者同士が出会ったとき、そこに何が生まれるのか、それをリアルに探りたいということです。

キャストホギウタ

そのためにキャストには、国籍の異なる在日外国人を起用しました。『月はどっちに出ている』(93年)で各種の最優秀主演女優賞など映画賞を総ナメにしたルビー・モレノ、『ボキャブラ天国』『なにコレ』『はじめよう英会話』などのテレビ番組でとぼけた味のインテリジェンスを発揮しているスティーブ・ソレイシィ(アメリカ)、芝居が好きで東京を拠点に“自発”的な演劇活動を続けている「劇団テヘラン」のユセフ・ロットフィ(イラン)。ユニークな経歴を持つこの3人にとっては、『ホギウタ』の稽古と出演のプロセスは、そのまま各人それぞれの“再生”を探る作業にもなっていきます。そういう意味では、ある種、ドキュメンタリーとしての作品ともなるでしょう。

また、「20世紀ノスタルジア」というタイトル・ショルダーが示すように、作品の随所に20世紀の百年を代表するような音楽を散りばめ、音楽劇としての一面も出したいと思っています。音楽は「黒テント」や「北区つかこうへい劇団」などに曲を提供しているネモ、作詞は独自の詞世界を持つシンガーソングライターのさねよしいさ子が担当します。1999年、預言に満ちた『寿歌』から、新しい伝説の『ホギウタ』が生まれます。


■プロフィール

≪生田萬≫(いくた・よろず)
81年、女優の銀粉蝶とともに「ブリキの自発団」を結成。
同劇団は、'80年代におけるいわゆる「小劇場ブーム」の中心劇団のひとつとして、「現代の奇妙な病理にこだわりつづけるユニークな劇団」(川本三郎氏)などの高い評価を獲得。代表作に『夜の子供』があり、銀粉蝶、片桐はいり、山下千景などユニークな女優の育成にも定評がある。現在、劇団活動は休止しているが、下北沢スズナリ15周年記念公演『KAN−KAN』(96年)で読売演劇大賞の優秀演出家賞、優秀作品賞受賞など活躍は目覚ましい。

≪ルビー・モレノ≫
フィリピン、マニラ生まれ。89年、稲川素子事務所社長にスカウトされ芸能界入り、ドラマ『教頭試験』でデビュー。数々のテレビ番組、映画に出演し、映画『あふれる熱い涙』(92年)でおおさか映画祭の最優秀新人賞受賞、翌年『月はどっちにでている』でブルーリボン賞をはじめとする各種主演女優賞を受賞。一時、フィリピンへ帰国したが、96年、再来日しNHK『坊さんがゆく』、松竹新喜劇舞台『この世が天国カラオケ萬歳』などに出演し活躍中。

≪スティーブ・ソレイシィ≫
ワシントン生まれのフロリダ育ち。アメリカン大学卒業後、文部省の招きで岐阜県神岡町の中学校で英語教師助手として働く。その後、グアム島の放送局(USAケーブルテレビ)に勤め、CNN World Report を担当することとなる。日本の良さが忘れられず再度来日、早稲田大学大学院生となり、マスコミ論を専攻する。現在はNHK「はじめよう英会話」TBS「なにコレ」などテレビタレントとして活躍中。

≪ユセフ・ロットフィ≫
66年生まれ。イラン、テヘラン出身。91年来日。95年、大人計画プロデュース公演『熊沢パンキース』に出演後、金子清文らと「劇団テヘラン」を旗揚げ。肉体労働をしながらアンダーグラウンドな演劇活動を続ける。在日外国人としては希有な存在。98年、テヘラン、エクバタンにて公演を行う。今年7月にはハロルド・ピンター作『料理昇降機』で文学座の古川悦史と共演。

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